「勉強」と「お勉強」。似ているようで実は大きく異なるこの2つの学び方は、人生の方向を左右します。「お勉強」はテストや資格試験の合格を目的とした暗記型の学習。一方「勉強」は、自分の問いを立て、実践しながら成長する生き方そのものです。本記事では、これからの時代に必要とされる「課題発見力」と大人の学び直しの始め方を解説。学歴や成績に縛られず、自分の人生を取り戻す学びのヒントを紹介します。

「お勉強」はテストのための学び

私たちが子どもの頃から慣れ親しんできた学びの多くは「お勉強」でした。

  • 英単語や歴史の年号を丸暗記する
  • 数学の公式を覚え、パターン通りに問題を解く
  • 資格試験に必要な法律や医療の知識を、暗記カードで頭に叩き込む

これらはすべて「テストで良い点を取ること」をゴールにしています。学校教育や資格試験においては必要不可欠であり、社会の仕組みを支える大切な学びでもあります。

しかし問題は、私たちが12年、16年、場合によっては20年以上、この「お勉強」にどっぷりと浸かってきたことです。

「点数を取れれば優秀」
「間違えずに正解できる人が評価される」

こうした価値観が、気づかないうちに深く刷り込まれてしまっています。その結果、大人になっても「正解を教えてください」「間違えたくない」という姿勢から抜け出せない人が少なくありません。

「勉強」は問いを立て、実践する学び

一方で、「勉強」と呼びたい学びはもっと自由で広がりがあります。

  • 職場や現場で試行錯誤しながらスキルを身につける
  • 自分の価値観や思考パターンを深掘りする
  • 人と出会い、対話を通じて視野を広げる
  • 本や映画、旅を通じて世界の見方を変える

これらに共通するのは、「答えが用意されていない世界」で自分なりに問いを立て、試し、失敗し、また立ち上がるというプロセスです。

そしてこの「勉強」こそ、年齢や肩書きに関係なく、一生続けていくことができる学びです。

成績=頭の良さではない

私はこれまで2,000人以上の学びを支援してきました。その中で強く感じるのは、学校での成績や学歴と、人生における「生きる力」は必ずしも一致しないということです。

例えば

  • 一流大学を出ても、不正や汚職で社会的に失脚する人がいる
  • 高卒・中卒でも、優れた技術やサービスを生み出し、社会に大きく貢献する人がいる
  • 学校の勉強が苦手でも、人間関係を築くのが得意で、職場で欠かせない存在になっている人もいる

つまり、「お勉強ができる=頭がいい」とは限らないのです。

これからの時代に求められるのは「課題を発見する力」

戦後の日本では、教育は「課題を的確に解決する人材」を育てることに重点を置いてきました。高度経済成長期にはその力が社会を押し上げ、大きな成果をもたらしました。

しかし今の時代はどうでしょうか。

  • 正解がどこにも見えない
  • 将来の予測が難しい
  • 過去の成功法則が通用しない

こうした状況では、「与えられた課題を解く」力よりも、「課題そのものを見つける」力が求められます。

そのために必要なのは、

  • 社会に対してアンテナを張ること
  • 「なぜ?」と問い続ける姿勢を持つこと
  • 多様な価値観や知識と出会うこと

これらすべてが、「勉強」に含まれるのです。

社会課題は身近なところにある

「社会起業」「ソーシャルビジネス」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。でも、社会課題の解決は一部の起業家だけのものではありません。

  • 育児や介護で感じる不便を、アイデアと工夫で改善する
  • 地域のつながりを失った現実に、読書会やイベントで新しい出会いをつくる
  • 自分の得意なことを活かして、身近な人を少し元気にする

これら一つひとつの取り組みも、立派な「社会課題の発見と解決」です。どの立場にいても、「自分の半径5メートルから社会を変える」ことは可能です。

大人の勉強は「読書」から始めよう

では、大人が「勉強」を始めるにはどうすればよいでしょうか。私が最もおすすめするのは、読書です。「また読書か…」と思われたかもしれません。しかし、本を読むことは単なる情報収集にとどまりません。

  • 他人の思考や人生を追体験できる
  • 自分の価値観を揺さぶられる
  • 今まで知らなかった世界を知ることができる

しかも、場所も時間も選ばず、低コストで膨大な知にアクセスできる。これほど効率的で豊かな学びの手段は他にありません。

「勉強」は自分の人生を取り戻す旅

私のまわりには、「人生をやり直したい」「このままでいいのか」と悩む人が大勢います。けれど、そう思えるということは「もっと良くしたい」という希望がある証拠です。そしてその第一歩は、「お勉強」から「勉強」へと切り替えること。つまり「自分から問いを立てて学ぶ」ことから始まります。

  • 本を読む
  • 人と話す
  • 自分で考える
  • 実践してみる
  • 失敗しても、また学び直す

このサイクルの中にこそ、自分だけの「答え」を見つける瞬間があります。

まとめ:大人の勉強は、自分の人生を取り戻す旅

大人の勉強とは、誰かの正解を探す旅ではありません。自分自身の問いを育て、それを行動で確かめながら、自分だけの人生を再び取り戻す旅なのです。

この記事を読んでくださったあなたに伝えたいのは、学び直しは決して遅すぎないということ。一歩を踏み出した瞬間から、新しい未来が始まります。

一緒に、学び直しの旅を始めてみませんか?

学び直しの一歩を、「読む力」から始めてみませんか?

大人になってからの「勉強」は、誰かに与えられた正解を覚えることではなく、自分の問いを持ち、実践を通して学んでいくプロセスです。そして、その最初の一歩として欠かせないのが「読む力」です。なぜなら、読書は他人の人生や思考を追体験し、視野を広げ、自分の問いを育てる最良の方法だからです。

とはいえ、「本を読みたいけれど時間がない」「内容を理解してもすぐ忘れてしまう」と悩む方も多いのではないでしょうか。そこでご用意したのが、無料動画コンテンツ「本を速く・楽に読むための3つのポイント」です。

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よくあるご質問(FAQ)

Q:「勉強」と「お勉強」はどう違うのですか?

A:「お勉強」はテストや資格の合格が目的の暗記中心の学習。「勉強」は自分で問いを立て、試行錯誤しながら実践で価値を生む学びです。

Q:大人の学び直しは、まず何から始めればいいですか?

A:最初の一歩は「読む力」を整えること。短時間読書→一行メモ→小さな実践→振り返りのサイクルを回すのが効果的です。

Q:忙しくて読書が続きません。コツはありますか?

A:朝10分だけ読む、要点を一行で残す、重要度で読み分ける(スキミング/スキャニング)などの軽量ルーチンが続きます。

Q:学歴や成績に自信がなくても、成長できますか?

A:はい。求められるのは「課題を発見する力」と現場での実践・対話です。成績よりも、問い→行動→学び直しの循環が鍵です。

Q:読書以外にできる「勉強」の方法はありますか?

A:もちろんあります。人との対話、現場での挑戦、旅や映画などの体験もすべて「勉強」です。大切なのは情報量よりも「自分の問いを持ち、それを確かめる姿勢」です。