私たちの過去の経験は、すべて「学び」と「価値観」を育てる無形資産です。成功も失敗も、人生の意味をつくる大切な要素。この記事では、自分の中に眠る“経験という資産”に気づき、それを社会や人の役に立てる方法を解説します。内省と行動を通して「自分らしい生き方」を再設計するための具体的な視点と問いを紹介し、読後すぐに一歩を踏み出せるよう構成しています。

私たちは、日々たくさんの出来事の中で生きています。
嬉しいこと、悔しいこと、誰かとの出会い、思い通りにいかなかった仕事、そして小さな成功。それらはすべて通り過ぎてしまうように見えますが、実は一つひとつがあなたという人間を形づくる「資産」になっています。

ところが、多くの人はその事実に気づいていません。「自分には大した経験なんてない」「特別な才能があるわけじゃない」と思い込んでしまう。けれど、そんなふうに自分を過小評価していると、せっかくの経験が“眠ったまま”になってしまうのです。

この記事では、あなたの中に眠る「経験という資産」に気づき、それを社会や人の役に立てていくための視点と方法を紹介します。一見つながりのない過去の出来事が、じつは“今のあなた”を支える貴重な土台になっていることに気づけるはずです。

起業というキーワードから見えてきた「自分資産の原点」

私が最初に働いたのは、女性の起業家や「社会的起業」「ソーシャルビジネス」などの起業を支援する小さな会社でした。

当時の私は20代の若手スタッフ。主にセミナーの運営やニュースレターの原稿作成、講師のサポートなどを担当していました。いわゆる「裏方」でしたが、そこで見たのは、誰かの夢や思いが、行動によって少しずつ形になっていく現場でした。

起業といっても、華やかなものばかりではありません。資金繰りに苦労し、家族との時間を削りながら事業を続ける女性も多くいました。それでも彼女たちは、「自分の力で社会に貢献したい」と語り、笑顔を見せてくれたのです。私はその姿に心を動かされ、「働くことの本質は、誰かに価値を届けることだ」と強く感じました。

そして、会社や組織に努めるだけではなく、小さくても自分で自分の仕事を立ち上げる、という生き方にも大変魅力を感じ、その後、私自身も起業の道に進んだのです。

自然食品店、速読講座など「学びと実践」のコンテンツの提供、訪問介護事業など、マーケティングやコピーライティングを独学で学びながら、現場で実践を重ねました。失敗も数え切れないほどありましたが、今振り返ればその一つひとつが、かけがえのない学びになっています。

そして、今は訪問介護の事業を経営しながら、こうして「学びと実践」のサポートをする仕事をしています。

お金ではない“無形資産”の正体とは?

こうして並べてみると、一見まったく別の道を歩んできたように見えるかもしれませんが、振り返ってみるとすべてが一本の線でつながっているのです。

その線のテーマは「人の可能性を支援すること」。どの仕事にも共通していたのは、“人が自分らしく生きるためのサポート”でした。当時はまったく意識していませんでしたが、今になって思えば、私がずっと大切にしてきた価値観だったのです。

人生の出来事は、その瞬間だけを見れば“点”のようにバラバラです。でも、ある時ふと過去を振り返ると、すべての点がつながって「意味のある線」になる。その瞬間こそ、「自分の中に眠っていた資産」に気づくタイミングです。経験はすべて「無形資産」になる

「資産」と聞くと、ついお金や不動産など“目に見えるもの”を思い浮かべてしまいます。しかし本当の資産とは、私たちの中にある「無形資産」です。

たとえば、

  • 失敗から学んだ知恵
  • 誰かを励ました経験
  • 仕事で培った判断力
  • 家族を支えるために身につけた忍耐力
  • 人との関わりから生まれた信頼

これらはすべて、お金では買えない価値です。しかも、あなたにしか持っていない“オリジナルの資産”です。

そして、その資産が真に輝くのは、「誰かと関わる瞬間」です。社会の中で、誰かの悩みや課題に自分の経験が結びつくとき、眠っていた資産が一気に顕在化します。それが、人生の意味を再び感じる瞬間でもあります。

自分の資産を見つける「内側と外側」の視点

自分の中にある資産を発見するためには、2つの方向から物事を見ることが大切です。一つは「内側(IN)」を見つめること。もう一つは「外側(OUT)」を観察することです。

内側(IN):自分を深く見つめる

過去を振り返るとき、ただ出来事を思い出すのではなく、「そのとき何を感じたか」に注目してみてください。たとえば、「どんなときに心が動いたか」、「どんな出来事に悔しさを感じたか」。

それらは、あなたが本当に大切にしている価値観を映し出しています。内省とは、過去を掘り返すことではなく、意味を見出す行為なのです。

外側(OUT):社会を観察する

次に意識を向けたいのは「今、社会で何が起きているのか」。誰がどんな悩みを抱えているのか、どんな課題が放置されているのか。その中で、自分の経験が役立ちそうな領域を探してみましょう。

この“INとOUTの交点”にこそ、あなたの無形資産が最も力を発揮する場所があります。

「意味のない経験」など一つもない

どんなに苦しかったことも、無駄なことは一つもありません。むしろ、痛みや挫折の経験ほど、人を深く理解し、支える力になります。

私自身、実は目標を見失って日雇いの派遣バイトで食いつないでいた時期や、うつ病でほとんど動けなかった時期もあります。その時は本当に辛かったのですが、今から振り返るとあの経験があるからこそ、今、介護の現場やコーチングのセッションなどで、人に寄り添った支援ができる。あの時の経験は、今の仕事をするために欠かせないピースだった。

そう、確信しています。

あなたの経験は“社会貢献の種”になる

「社会貢献」というと、少し大げさに聞こえるかもしれません。けれど、本当の社会貢献とは、特別なことをすることではありません。たとえば、
・子育てや介護で得た知恵を誰かと共有する
・自分の苦しみを言葉にして、同じ悩みを抱える人に届ける
・小さな気づきをSNSやブログで発信する

それだけで十分です。誰かの悩みに自分の経験が重なる瞬間、その経験は社会的価値を帯びます。あなたの人生の中にも、そうした“社会貢献の種”がきっと眠っています。

自分の資産に気づくための3つの問い

あなたの中に眠っている資産を見つけるために、次の3つの問いを考えてみてください。

  1. 過去1年で、心が最も動いた瞬間は?
  2. 人生で一番悔しかった出来事は?
  3. 誰かに伝えたいことがあるとしたら、それは何?

これらの問いに向き合うことで、過去の出来事が「意味のあるストーリー」として立ち上がってきます。

人は、自分の過去を「どう語るか」で、人生の意味を変えることができます。同じ出来事でも、「あれは失敗だった」と語るか、「あれで成長できた」と語るかで、人生の物語がまったく違って見えてくる。

この“語り直し”の力を取り戻すことができれば、人生がとても楽になります。過去を否定せず、意味を再発見し、これからの行動に活かす。そうやって、自分の物語を編集するということで、「自分の生きたい人生」を生きることができるのです。

「気づき」を行動に変える第一歩

資産に気づくだけでは不十分です。そこから一歩踏み出し、行動につなげてこそ、人生が動き出します。

たとえば、

  • 小さな気づきをノートに書いてみる
  • 過去の経験を誰かに話してみる
  • 読書や講座で得た学びを仕事に取り入れてみる

大切なのは、完璧な計画ではなく「まず動く」こと。行動の中で新しい経験が生まれ、その一つひとつがまた新たな資産になります。

「自分の人生なんて取るに足らない」そんなふうに感じる瞬間があっても大丈夫です。大切なのは、どんな経験にも必ず“意味”があると信じること。

あなたの中には、まだ目覚めていない資産が眠っています。過去を閉じるのではなく、開いてみてください。その瞬間から、人生は再び動き始めます。

眠っていた声が響き始める瞬間へ

今まで「読書した」「講座を受けた」「学ぼうと思った」で終わってきたなら、 いまこそそのループから抜け出すステップに踏み出すときです。

あなたの中に積み重なった、言葉にできていない想い。過去の経験、挫折、出会いなどの一つ一つが、「意味のある物語」へと変わるとき、行動は自然に動き出します。

そのきっかけを生み出すのが、「セルフコーチング✕言語化実践講座」です。本講座では、学びを深め、言語化することで、行動に移すための“第一歩”を具体的にデザインします。迷いを手放し、自分自身の声で「いま」を言葉にし、次の行動を紡ぎ出す。そんな体験を待っている方にこそ、この講座は開かれています。

ChatGPTをあなたのパーソナルコーチとして活用する方法もお伝えしています。

よくあるご質問(FAQ)

Q:経験が“資産”になるとはどういう意味ですか?

A:経験は過去の出来事ではなく、学びや価値観の源です。行動や言葉を通して他者と関わるとき、はじめて「資産」として活かされます。

Q:無形資産にはどんなものがありますか?

A:無形資産とは、知識・スキル・人間関係・価値観・信頼など、形のない強みのことです。あなたの経験そのものが最大の無形資産です。

Q:自分の経験をどうすれば社会の役に立てられますか?

A:自分の内面を見つめ、同時に社会を観察することです。自分の経験と誰かの悩みが重なる場所に、行動のヒントがあります。

Q:失敗や挫折も資産になるのでしょうか?

A:はい。痛みや挫折は「他者を理解する力」に変わります。乗り越えた経験ほど、共感と行動の原動力になります。

Q:記事を読んだ後、何から始めればいいですか?

A:まずは「心が動いた出来事」を書き出してみてください。それがあなたの価値観を映し出し、行動の第一歩になります。