問い一つで人生は変わる?
「どうして自分は続かないんだろう?」
「また失敗するんじゃないか?」
ふと浮かんだ問いに、心が重くなることはありませんか?実は、その問いの一言こそが未来を左右しています。前回の記事では、「学んでも動けない」のは意志の弱さではなく「問いの質」にあるとお伝えしました。
今回はさらに踏み込んで、「問いが変わると未来がどう変わるのか?」を、具体的な事例とともに解説していきます。
「問い」が未来のシナリオを決める
人は一日の中で、無意識に数千回もの問いを自分に投げかけていると言われます。「今日は何を着ていこう?」から始まり、「この仕事、どう進めよう?」まで。
問いは脳にとって“検索ワード”のようなものです。どんな問いを投げるかで、探しにいく答えが変わります。
- 「どうしてうまくいかないのか?」→ 脳は“失敗の理由”を探す。
- 「どうすればうまくいくのか?」→ 脳は“成功のヒント”を探す。
つまり、問いは未来のシナリオを方向づける力を持っているのです。
二人のストーリー──同じ状況、違う未来
ここで、BさんとCさんという二人のケースを紹介します。
Bさんの問い:「なぜできないのか?」
Bさんはダイエットを決意しました。しかし、三日坊主で終わりがち。彼が自分に投げた問いは「なぜ自分は続かないのか?」でした。
すると頭に浮かぶのは、
「自分は意志が弱い」
「誘惑に負けやすい」
という“できない理由”ばかり。結果、ますますやる気をなくし、挑戦は途中で終わってしまいました。
Cさんの問い:「どうすれば続けられるのか?」
一方で、同じ状況のCさんは違う問いを投げました。「どうすれば続けられるのか?」
その結果、彼の脳は“方法”を探し始めます。
「友達と一緒に歩けば楽しくなる」
「小さなご褒美を設定してみよう」
「毎日5分から始めてみよう」
この問いが行動の糸口を生み、続ける工夫につながっていったのです。
同じ課題に取り組んでいても、「問い」が違うだけで未来はまるで別物になります。
「未来を閉ざす問い」と「未来を開く問い」
では、どんな問いが未来を閉ざし、どんな問いが未来を開くのでしょうか?
未来を閉ざす問い
- 「なんでできないんだ?」
- 「どうせ自分には無理だろう」
- 「いつも失敗ばかりだ」
これらは、自己否定や過去の失敗に意識を向ける問いです。答えを探せば探すほど、自分を責める理由が積み重なり、行動が止まります。
未来を開く問い
- 「どうすればできるようになる?」
- 「小さく始めるとしたら何から?」
- 「誰に頼めば前に進める?」
これらは、可能性や解決策を探す問いです。答えを探す過程で自然と行動のヒントが見えてきます。
言葉が行動を後押しする
問いが変わると、出てくる“言葉”も変わります。たとえば、
- 「無理だと思う」 → 行動は止まる。
- 「5分だけやってみよう」 → 行動は始まる。
問い → 言葉 → 行動という流れは、いつもつながっています。
だからこそ、最初の「問い」を変えることが大切なのです。
日常で使える「問い変換」の実践
では、実際にどうすれば未来を開く問いを投げられるようになるのでしょうか。おすすめは「問い変換」です。ネガティブな問いが浮かんだら、次のように変えてみてください。
- Before:「なんで続かないんだ?」
After:「どうすれば続けられる?」 - Before:「どうせ自分はだめだ」
After:「今日できる最小の一歩は?」 - Before:「誰も助けてくれない」
After:「誰に相談すればヒントがもらえる?」
問いを変換するだけで、未来がぐっと軽くなります。
実際にやってみよう
ここで、この記事を読んでくださっているあなたに小さなワークを。
- 最近、自分に浮かんだネガティブな問いを一つ思い出してください。
- それを紙に書き出します。
- その問いを「どうすれば?」や「何から?」で始まる問いに書き換えてみてください。
たったこれだけですが、頭の中が少し前向きに整理されるはずです。
まとめ:未来を開く問いを持とう
学んだことを行動につなげるには、「未来を開く問い」を持つことが欠かせません。
- 問いが変われば、探す答えが変わる。
- 答えが変われば、言葉が変わる。
- 言葉が変われば、行動が変わる。
つまり、「問い」が未来そのものを決めているのです。
次回はさらに一歩進んで、「なぜ言葉にできないと行動できないのか?」というテーマを扱います。頭の中にモヤモヤが残っている状態では、行動は生まれません。
では、どうすれば言葉にして整理できるのか。その答えを一緒に探していきましょう。