~自分らしい力を磨き、“プロフェッショナル”として生きる方法~
以前、「自分の強みは何か」を“軸”という視点から考えてみよう、という話をしました。
今日は、その続きを少し深めてみたいと思います。
なぜ「苦手を克服する努力」では成果が出ないのか?
私たちは子どものころから、「苦手を克服しなさい」「バランスよく成長しなさい」と教えられてきました。学校でも、会社でも、家庭でも。「できないところを直す」「欠点を減らす」ことが、“正しい努力のあり方”のように扱われてきました。
でも、思い返してみるとどうでしょう。その努力、いつも楽しかったでしょうか?たとえば、算数が苦手だった子が、一生懸命にドリルを繰り返して平均点を取る。頑張っているのに平均点程度では対して評価されない。一方で、図工や音楽ではいつも賞を取るのに、受験には関係ないからと、これもあまり評価されない。
そんな子が、「算数を頑張れ」と言われ続けると、次第に「自分には得意なことなんてない」と感じてしまうのです。
社会人になっても同じです。プレゼンが苦手なら話し方講座へ。PCが苦手ならスキル研修へ。確かに、どれも“できるようになる”ことは大切です。でも、それが本当に「あなたの人生を伸ばす努力」になっているでしょうか?
なぜ「苦手を克服する努力」では成果が出ないのか?
自分の強みを磨くことは、単なるスキルアップではありません。それは“生き方の選択”です。
あなたのまわりにもいませんか?なんだか自然体なのに、成果を出している人。努力しているようには見えないのに、仕事が早くて正確な人。
彼らは決して「全部できる人」ではありません。むしろ、苦手なことにはあまり時間をかけていない。その代わりに、自分の得意分野を圧倒的に磨いているのです。
たとえば…
- 数字が得意な人は、分析力を武器にプロジェクトの要となる。
- 人との関係づくりが得意な人は、チームをまとめて信頼を得る。
- 言葉に敏感な人は、文章で人の心を動かす。
彼らは“自分の強み”を知り、その力を磨き続けている。だからこそ、周囲の人たちからも必要とされる。そして、その強みが「価値」として社会の中でお金に変わっていく。
反対に、苦手なことを無理に克服しようとすればするほど、自分のエネルギーは分散し、時間は奪われ、「頑張っているのに結果が出ない」という負のスパイラルに陥ります。
つまり、努力の方向がズレているのです。
努力の方向を変えるだけで、人生の風向きは変わる
“努力すること”そのものは素晴らしい。けれど、努力の方向が間違っていれば、どんなに頑張っても報われないのが現実です。
人は「向いていること」なら、時間を忘れて没頭できます。たとえ大変でも、それを「苦労」とは感じません。逆に「向いていないこと」にエネルギーを注ぎ続けると、どんなに頑張っても“心が乾いていく”のです。
大切なのは、「何を頑張るか」を間違えないこと。そしてその判断基準こそが、“自分の強み”です。
平均を目指すのをやめ、「突出する勇気」を持とう
「突出する」と聞くと、「そんなに目立つのは怖い」と感じる人もいるかもしれません。でも、突出とは“特別になる”という意味ではありません。「自分の得意分野で光る」ということ。
平均的にこなす人が10人いても、「この分野ならこの人」と言われる人が一人いるだけで、その人の存在価値は一気に高まります。
だからこそ、これからの時代は、「なんでもできる人」よりも、「これなら任せて」と言える人が求められます。それは、SNSでも、仕事でも、コミュニティでも同じ。AIが“平均的な能力”を代替していく今こそ、人間に残される価値は「個の強み」なのです。
自分の強みを磨く3つのステップ
では、どうすればその強みを見つけ、磨けるのでしょうか。私が提案したいのは、次の3ステップです。
時間を忘れて没頭していた瞬間こそ、あなたの強みの源です。「気づいたら数時間経っていた」という経験を、書き出してみてください。
自分では当たり前にできるけれど、人に感謝されたこと。それは、あなたにとっての“隠れた才能”です。
曖昧な強みを、言葉にして定義する。「私は〇〇の専門家になる」と自分に宣言してみることで、行動が変わります。
この3つを繰り返すだけで、あなたの中で“磨くべき一点”が見えてくるはずです。強みを磨くというのは、「得意なことを増やす」作業ではありません。むしろ、「磨く対象を絞る」こと。一点集中ができた瞬間、人生の推進力がまるで変わります。
プロフェッショナルとは、“強みを磨き続ける人”
「プロフェッショナル」という言葉を聞くと、特別な資格を持つ人や、卓越した実績を持つ人を想像するかもしれません。けれど、私が思う“プロフェッショナル”とは、そうした外側の肩書きではなく、「自分の強みを意識的に磨き続けている人」のことです。
たとえば、料理人であれば、日々同じ包丁を研ぎ続けるように。ファシリテーターであれば、日々「問い」を磨き、聴く力を磨くように。プロのスポーツ選手はその最たるものですね。
それは終わりのない旅のようなものです。でも、その旅の中で、自分が「自分らしくいられる」感覚が育っていく。
比べるのをやめた瞬間から、成長が始まる
あなたは、何のプロフェッショナルですか?
この問いに、すぐに答えられなくても大丈夫です。むしろ、ここからがスタートです。「自分の強みを磨く」とは、“他人と比べない人生”を選ぶことでもあります。平均点を追いかけるのをやめ、自分のベクトルを自分で定めること。
それは怖いようでいて、実はとても自由な生き方です。今日という日を、“自分の強み”を思い出す一日にしてみてください。あなたの中にある“まだ磨かれていない才能”が、きっと明日からの行動を変えていくはずです。
強みを磨くとは、“本来の自分に戻る”こと
強みを磨くというのは、一見すると「努力」のように見えます。けれど実際には、「本来の自分に戻っていくプロセス」なのかもしれません。
苦手を克服する努力は、自分を削る努力。
強みを磨く努力は、自分を生かす努力。
方向を変えるだけで、人生の“質”が劇的に変わります。あなたの人生を動かす原動力は、他の誰でもなく、あなた自身の中にある“強み”そのものです。
だからこそ、磨いてください。時間をかけて、丁寧に。それがやがて、あなたを「プロフェッショナル」にするのです。
専門特化だけが「プロフェッショナル」ではない
ここまで「強みを磨く」「突出する」というテーマでお話ししてきましたが、中にはこう感じた方もいるかもしれません。
「私はいろんなことに興味があって、ひとつに絞れない」
「特化するより、広く関わる方が自分らしい」
そう感じる方は、“ジェネラリストのプロフェッショナル”と言えるかもしれません。いまの時代、専門家の世界はどんどん細分化しています。でも同時に、その“分断された知識”を結びつける人がいなくなりつつある。複数の分野に関心を持ち、横断的に考えられる人も、時代が必要としているのです。
それは「何でも屋」ではありません。異なる分野を結びつけ、新しい価値や視点を生み出す“編集者”であり、“通訳者”のような存在です。
大切なのは、広く関わることを「散らかっている」と捉えないこと。むしろ、関心の幅の中に“共通する軸”を見つけ出すことが、そのまま専門性の核になります。
強みを磨くとは、「一つに絞ること」だけではなく、“自分の中に流れる一本の筋”を意識して生かすこと。広い興味や経験の重なりの中にも、確かなプロフェッショナルの種が眠っているのです。
プロフェッショナルは、“学びを行動に変える人”
プロフェッショナルとは、「自分の強みを意識的に磨き続ける人」と書きましたが、そのためにも「学ぶ力」を身に付ける必要があります。その起点となるのが本を読む力。
本を読むスピードを少し変えるだけで、理解力も記憶も、行動へのエネルギーも大きく変わります。
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よくあるご質問(FAQ)
A:エネルギー効率と再現性が高く、没頭しやすい領域で成果が指数関数的に伸びるためです。弱みは“最低限のリスク管理”、強みは“差別化と価値創出”を担います。
A:①時間を忘れる瞬間の棚卸し、②他者から感謝・称賛された場面の抽出、③共通項を言語化して“磨く一点”を仮決めする、の3ステップから始めます。
A:なれます。複数分野を横断して結びつける“翻訳力・編集力・橋渡し力”は立派な専門性です。広さの中に一本の軸(共通する視点・価値観)を通すことが鍵です。
A:なんでも平均的にこなすことではなく、「この領域なら任せて」と言える独自の組合せ(強み×文脈×提供方法)で選ばれる状態を指します。
A:読む体験を最適化すると、理解・記憶・抽象化→具体化の速度が上がり、実践への移行摩擦が下がります。記事末の無料動画「本を速く・楽に読むための3つのポイント」を活用すると、即日で“読む→動く”の手応えが得られます。
